ホームセンターの木材売り場や、木造住宅の企画などで目にする「ツーバイフォー」という言葉。
木材の一種だとは分かっていても、具体的にどういうものか説明するとなるとちょっと難しい、という人も多いのではないでしょうか?
今回は、ツーバイフォーとは何か、ということから、木の種類による特徴やホームセンターでの選び方などを解説していきます。
◯ツーバイフォーとは?
ツーバイフォー(2×4)とはずばり、木材の大きさの規格のことです。
ツーバイフォーは横2インチ(5.08cm)×縦4インチ(10.16cm)の棒状、もしくは板状の木材で、2インチ×4インチのもの以外にも、2×6や1×4といった大きさの規格もあります。
住宅でツーバイフォーという場合、この規格を用いてつくられた住宅を指します。一般的な日本の住宅は尺貫法をベースにした規格が用いられており、間口の大きさや廊下の幅、部屋の大きさなどがツーバイフォーのものとは異なります。
ツーバイフォーの単位はインチやフィートなど、北米で使用される単位になるため、DIYの際はセンチメートルやメートルと混同しないように注意しましょう。
●断面サイズ
1×4(ワンバイフォー):断面寸法19mm×89
1×6(ワンバイシックス):断面寸法19mm×140
1×8(ワンバイエイト):断面寸法19mm×184
1×10(ワンバイテン):断面寸法19mm×235
2×2(ツーバイツー):断面寸法38mm×38
2×3(ツーバイすりー):断面寸法38mm×63
2×4(ツーバイフォー):断面寸法38mm×89
2×6(ツーバイシックス):断面寸法38mm×140
2×8(ツーバイエイト):断面寸法38mm×184
2×10(ツーバイテン):断面寸法38mm×235
●長さ
1 ft:約304.8 mm
3 ft:約914.4 mm
6 ft:約1828.8 mm
10 ft:約3048 mm
12ft:約3657.6mm
◯ツーバイフォーに使用される木の種類
ツーバイフォーはサイズの規格であるため、大きささえ満たしていれば、どんな種類の木を使用していたとしてもツーバイフォー材として扱われます。
今回は、ツーバイフォーとしてよく用いられる3種類の木材について、その特徴と使い方を紹介します、
●SPF材
北米原産の常緑針葉樹を使用しているのがSPF材です。ツーバイフォーに使用される木の種類としては、最もポピュラーなものです。
特徴は、軽くて柔らかく、加工が楽なこと。加工がしやすいので、見た目もきれいに仕上がりやすいです。
ただ、他の木材と比べると水に弱く、耐久性も低めです。
長持ちする素材ではありませんが、加工が簡単で取扱しやすいため、DIY初心者におすすめの木材です。価格も安価なので、まずはこのSPF材から始めるのが良いでしょう。
耐水性・耐久性は高くないため、屋外で長時間使ったり、屋根部分に使用したりするのはあまりおすすめできません。
●ウェスタンレッドシダー
ウェスタンレッドシダー(WRC)は、カナダ産の針葉樹を使用している木材です。
特徴は、耐久性が高く、加工後に反り・曲がりが発生しにくいこと。また、防腐・防虫性の比較的高い木材であるため、屋外での使用に向いています。
ウッドデッキの多くはこのウェスタンレッドシダーを使用しています。
●ホワイトウッド
ホワイトウッド(WW)はその名の通り白っぽい木材で、北欧やスウェーデンの木を使用しています。
特徴はやはり見た目の良さ。白っぽい色はもちろん、若いちから伐採した木を使っているため、節も目立ちにくいです。SPF材と同じように軽いため、屋内で使うのに向いています。
◯ツーバイフォー材の選び方
ホームセンターでツーバイフォーを選ぶ時にはどんなことに気をつけたら良いのでしょうか?
まず、木の種類が選べるなら、用途にあったものを選びましょう。初心者ならとりあえずSPF材がおすすめです。
次に木材の品質。
反り・曲がりのあるものは避けましょう。大きな節・傷があるものも止めたほうが無難です。大きな節はそのまま抜けて穴になってしまうことがあります(節抜け)。ヤニが出ているもの・乾燥が不十分なものも加工には適しません。
細かい加工をする場合は、年輪が細かいものを選ぶと使いやすいです。
また、加工する前には必ず寸法を測り直しましょう。
ツーバイフォーは木材の大きさの規格ですが、大きさを図るのは基本的に乾燥させる前。木材は乾燥させると多少縮むため、実際の大きさは2×4よりも少し小さいことが多いです。
◯同じツーバイフォーでも種類は様々
ツーバイフォー(2×4)は木材の大きさの規格です。
使用する木の種類にかかわらず、サイズが一致していればツーバイフォーと呼ばれます。そのため、各木材の特徴は、使用する木の種類によって異なります。
ツーバイフォーに加工される木にはいくつかの種類がありますが、初心者なら最もオーソドックスなSPF材がおすすめです。その他の木材を使用する場合は、用途に合わせて特徴のあうものを選びましょう。
また、木材は天然素材です。
同じ規格・同じ種類の木を使用したものでも、そのコンディションは様々です。
ホームセンターでツーバイフォー材を買う際は、一つひとつ手にとって確認し、状態の良いものを選びましょう。