キッチンには人造大理石のものやステンレスものなど色々なタイプがありますが、ステンレス製のものはその機能性の高さとスタイリッシュなデザインに定評があります。
キッチンは毎日使う大切な場所。使いやすさは何よりも重要です。そして、多くの場合キッチンはダイニング・リビングに隣接しています。キッチンの印象は家全体のインテリアにも影響します。
失敗しないキッチン選びのためには、機能とデザインの両面でよく比較検討してみることが大切です。
そこで今回は、ステンレスキッチンのメリットとデメリットについてそれぞれ解説していきます。
◯メリット
・汚れに強い
・掃除がしやすい
・スタイリッシュなデザイン
●汚れに強い
ステンレス(Stainless)のStainとは汚れやシミのこと。その名の通り、ステンレスは汚れや染み、サビに非常に強い素材です。
金属製のため硬くて丈夫。油がついてもシミになりません。熱にも強いので火を取り扱うキッチンでも安心です。
水にも強く、サビもつきにくいです。完全にサビないと言う訳ではないのですが、普通に使っているぶんには問題になりません。最近ではよりザビに強いステンレスもキッチンに使われる用になっています。
おすすめは「SUS304」と呼ばれる素材を使用したキッチンです。ステンレスキッチンの長所を最大限に活かすなら、高性能なステンレスを選ばなければもったいないです。
また、汚れがつかないということは匂いがつかないことにも繋がります。カレーをこぼしたり、生魚をさばいたりしても匂いが残ってしまう心配がありません。
頻繁に料理をする家庭や、様々な食材を扱う人には、特にステンレスキッチンがおすすめです。
●掃除がしやすい
キッチンは調理によって油汚れや食べ物の汚れ、水垢などが非常に発生しやすい場所です。
しかし、汚れを残したままにしてしまうと、見た目が悪くなるだけでなく、衛生面や安全面に問題が発生します。汚れやすい一方で、常にきれいに保たなければならないのがキッチンという場所でなのす。
そのため、快適で安全なキッチンにするためには、手入れ・掃除のしやすさが必須です。
ステンレスには汚れが染み込みにくく、たとえ油汚れがついても拭き取りやすく残りにくいです。
簡単な汚れなら中性洗剤で軽く掃除するだけでOKです。
頑固な汚れ落としにはメラミンスポンジとクレンザーの使用がおすすめです。塩素系漂白剤は長時間そのままにしていると錆の原因になるので注意が必要です。
ステンレスはアルコール消毒もしやすいため、医療現場でもよく使用されている素材です。
また、オールステンレスキッチンはゴキブリなどの害虫侵入も少ないと言われています。清潔で安全なキッチンを目指すなら、ステンレスキッチンの導入を考えるべきでしょう。
●スタイリッシュなデザイン
ステンレスキッチンの直線的で硬質な印象は、部屋の雰囲気をおしゃれでスタイリッシュなものにします。
ステンレスキッチンのデザインはシンプルながら高級感のあるものが多く、落ち着いた大人の雰囲気を漂わせる住まいにはピッタリです。
◯デメリット
非常に機能的なステンレスキッチンですが、注意しなければならない点もあります。
・細かい傷がつきやすい
・もらいサビに注意
・冷たい印象
●細かい傷がつきやすい
丈夫な印象のあるステンレスですが、細かい傷がつきやすいという欠点もあります。
つやつやとした美しい金属光沢も、年数が経過し小さな傷がたくさんついてしまうと、光沢は失われ曇ったような見た目になってしまいます。
傷がつきにくいように特殊加工をしているステンレスもありますが、完全に傷を防げる訳ではありません。購入時の光沢感はある程度失われていくものだと考えておきましょう。
また、硬い金属製ではありますが、強い衝撃を加えると凹みの原因になります。凹んでしまうとかなり目立ってしまうため、丁寧な扱いが必要です。硬いものを切ったりぶつけたりする可能性があるときは、新聞紙やタオルなどを敷いておくようにしましょう。
●もらいサビに注意
サビに強いステンレスですが「もらいサビ」によってサビてしまうこともあります。
濡れた金属製品(スチール缶)などをステンレスの上に置きっぱなしにしてしまうと、金属製品にサビがつき、そのサビがステンレスについてしまいます。
また、塩分のついた濡れた食器を長時間放置することでも、もらいサビが発生する原因になります。
せっかくのステンレスでも、サビをつけてしまうと落とすのは面倒です。
どちらのパターンでも短時間なら錆びることはありません。キッチンをきれいに保つためには、たとえ丈夫なステンレスであってもきちんと片付けをする必要があります。
●冷たい印象
スタイリッシュで硬質なステンレスキッチンに対して、冷たく無機質な印象を抱く人も多いです。
デザインや周囲のインテリアによっては、ステンレスキッチンが業務用のような印象を与える場合もあります。
スタイリッシュな部屋にはマッチしますが、温かみのあるインテリアや、優しい雰囲気の部屋との相性はあまり良くありません。
キッチンはダイニングやリビングと隣り合っている場合も多く、他の部屋のインテリアとの統一も大切です。キッチン単体の機能性やデザインだけでなく、リビング・ダイニングとの調和や、家族の意見も取り入れるようにしましょう。
◯価格
キッチンやバスルーム、トイレなどの住宅設備のなかで、特にキッチンは値段が高いです。
価格の幅も広く、グレードを上げると標準価格の2倍以上になることも珍しくありません。
ステンレスキッチンの価格帯は60万円から200万円ほど。これは本体価格のため、実際に取り付けるとなると別に工事費がかかります。
一般的なキッチンと比べると価格はやや高め。これは素材となるステンレス自体の価格が影響しています。また、施工に手間と技術も必要なため、一般的なキッチンの導入よりもお金がかかると考えておきましょう。
ただ、グレードによって価格には差がありますし、キッチンのメーカーや工事業者によって費用には幅があります。詳しい価格は見積りを取って確認するようにしてください。
グレードを下げれば価格を抑えることもできますが、代わりに広さや収納、機能などが制限されることになります。ステンレスキッチンそのもののメリットを取るのか、それともステンレスにしない代わりに別の機能や設備にお金をかけるべきなのか、家族でよく相談してみましょう。
◯自分が使いやすいキッチンを
ステンレスキッチンはサビや汚れ、熱に強く、清潔で機能的なキッチンです。毎日キッチンで料理をする人には特におすすめです。また、汚れがつきにくく手入れも簡単なため、掃除の手間を減らしたいという場合にも向いています。
一方でステンレス独特の質感がインテリアのじゃまになってしまうことも。生活の中心に近いキッチンですから、周囲の部屋との調和も大切です。
日々の生活に欠かせないキッチンは、快適さや安全性に大きく影響します。調理にかかる時間は他の家事よりも長めになりやすく、キッチンを気に入っているかどうかは毎日のモチベーションにも関わります。
新しいキッチンを毎日楽しく使えるよう、予算や周囲の部屋とのバランスを取りつつ、一番良いキッチンがどんなものかよく考えてみてください。