間取りや内装を考えるというと、ドアなどの建具や壁紙、床材、造り付けの家具について決めるものだと思っている人が多いのではないでしょうか。
当然それらもとても重要なものなのですが、忘れてしまいがちなのがコンセントの配置です。
コンセントの数や場所は毎日の生活に大きく影響する重要なポイントです。
そこで今回は、コンセントのレイアウトを考える時のヒントをいくつか紹介します。
◯コンセントにまつわるよくある失敗
よく考えずにコンセントの場所を決めてしまい、数が足りないというのは非常によくある話です。
せっかくコンセントを用意しても、家具をおいたら使えなくなってしまったという失敗も多いです。
ドライヤーや掃除機を使うためのコンセントが足りず、毎回普段使っている家具や家電を寄せているという人もいます。
また、コンセントは準備したのにテレビのアンテナ線を引き忘れ、自室にテレビを置けなかったという失敗もあります。
こうした失敗をしないためには実際に生活するときのことを考えることが大切です。
◯実際の生活をシミュレーションしてみよう
コンセントやスイッチなどは、建ててからでは追加・変更が困難です。
必ず設計段階から計画するようにしましょう。
朝起きてから寝るまでの動きをシミュレートし、どこで何をし、どんなふうにコンセントを利用するか想像してみてください。
家具などのレイアウトも重要です。
コンセントの数が足りなかったり場所が悪かったりすると、家具や家電の裏で使えないコンセントがでてきたり、延長コードを使わざるを得なくなります。
家具の後ろはホコリが溜まりやすく、火災のリスクも高まります。
また、延長コードは見た目が悪いだけでなく、使い方を誤ると火災の原因になってしまいます。
また、通り道をコード類が横切っていると、転倒したり、家電を壊してしまったりする原因にもなります。
大切な住宅を守り、安心して暮らすためにも、コンセントの場所は重要です。
一般的に、2畳につき1箇所のコンセントが目安とされています。
一部屋あたり2箇所のコンセントがあると便利でしょう。
家族の集まるところには多めに設置するようにしましょう。
リビングやダイニングはコンセントの需要が高いです。
特にテレビ周辺は電化製品が集中するため、コンセントを多めに設置しておくと安心です。
◯コンセントがあると便利な場所
テレビや冷蔵庫などの置き場所は間取りを考えている段階で決まっているはずですから、それらに必要なコンセントの場所も数も自動的に決まります。
では、それ以外にコンセントがあると便利な場所はどこなのでしょうか。
キッチンは家の中でも家電の多い場所です。
冷蔵庫や電子レンジ、トースター、炊飯器だけではありません。
コーヒーメーカーやミキサー、フードプロセッサーなど一時的に利用する調理家電のためのコンセントも用意しておきましょう。
掃除機の事を考えたコンセントも重要です。
特にウオークインクローゼットは忘れやすい場所です。
階段を掃除するために、踊り場や階段の上下にもコンセントがあると便利です。
ベッドの近くやデスクの周辺にもコンセントを用意しましょう。
デスクライトや携帯電話などの充電で必要になります。
◯コンセントの高さ
床の近くに設置するのが基本ですが、用途によっては高さを変えましょう。
例えばエアコンのコンセントは天井近く、床から2mほどの高さにつくるのが普通です。
洗濯機のコンセントも、感電防止のために水濡れしない高い位置につけられます。
子ども部屋や書斎などの机の近くのコンセントも、少し高めに設置すると便利です。
デスクライトの配線がしやすくなり、照らしたいところに届きやすくなります。
ドライヤーなど手に持って使う家電用のコンセントは、手元近くまで高い場所に配置したほうがコードの長さを気にせずに済み、便利です。
◯建築が始まってからも確認しよう
事前にコンセントやスイッチ類のレイアウトを完璧に決められるのが理想ですが、やはり実際に建物ができてみないとわからない部分も多いです。
建築途中に現場を訪れ、修正できるのは注文住宅の強みです。
是非活用しましょう。
建築開始後も、何度か現場を確認したり、出来上がりを見ながら打ち合わせをしたりする機会があります。
空間の広さや配置を直に確認できるだけでなく、現場監督や設計者、電気工事の人など現場の人の意見も聞ける貴重な機会です。
コンセントなどに限らず、悩んだり疑問に思ったりすることがあれば、どんどん相談しましょう。
◯コンセントは快適な生活に欠かせない存在
私達の生活は電化製品とともにあります。
そのために必要なコンセントは、生活を支える重要な存在です。
コンセントの数や配置を誤ると、不便な思いをしたり、火災や怪我などのリスクが高まる原因になったりします。
壁紙や建具などの内装と比較すると地味な存在ですが、新居での生活をより良いものにするためには、必要な場所に必要な数だけのコンセントがあることがかかせません。