外壁は建物を紫外線や雨風から守る重要な存在です。
デザインや色など見た目にこだわる人もいますが、特に気にせず提案されるまま適当に決めてしまう人も多いです。
しかし、外装材の種類によって、見た目も機能も様々です。
せっかく自分で決められるのですから、よく考えずに決めてしまうのはもったいないです。
今回は、外装材の種類と特徴、色などの選び方について紹介します。(注文住宅新築株式会社kosei)
◯外壁に満足している人は多いが……
注文住宅にまつわる失敗談には色々ありますが、外壁に関しての失敗談というのは比較的少ないです。
こだわりのある人はよく調べて決めているため、後悔が少なく、特にこだわりがなければ気にする必要もありません。
内装と違って、住んでいる人にはあまり見えにくく、気になりにくいというのも外壁の特徴でしょう。
外壁にこだわる場合、やはり見た目の印象やデザインを大切にする人が多いです。
タイル貼りの美しい外壁で個性を演出する場合もあれば、周囲の町並みや自然との調和を重視する場合もあります。
見た目ではなく、雨漏りへの強さなど機能性を重視し、外壁を決める人もいます。
ただ、中にはやはり外壁選びで失敗したという人もいます。
よく考えず進められるがままに決めてしまったが、よく自分で調べたり比べたりすればよかったと後悔する人も多いです。
また、思っていたよりも派手だった、時間が経つと汚れが目立つようになったなどの失敗もよくあります。
せっかくのマイホームなのですから、後悔しない家づくりにしたいもの。
どのように選べば失敗しない外壁選びができるのでしょうか。
◯外壁素材の種類
まず大切なのは、どんな種類の素材があるか知り、それぞれの持つ特徴を知ることです。
特徴が分かれば、自分の建てたい家にマッチするのがどんな素材なのかが分かるようになります。
●サイディング
サイディングは繊維とセメントでできた外装材です。
大きな板状になったサイディング(サイディングボード)を貼り付け、隙間をシーリングで埋めます。
外壁に使われる素材としては非常にポピュラーなものです。
価格が比較的安価で、デザインも色も豊富です。
施工が比較的簡単という特徴もあり、仕上がりが職人の腕に左右されにくいというのもメリットです。
サイディング本体に比べると、目地部分が劣化しやすいのがデメリットで、メンテナンスの際に注意が必要になります。
●タイル
高温で焼き固めたタイルを使用した外壁は、見た目の美しさが人気です。
色も豊富で、洋風建築だけでなく、和風建築にも合わせられます。
お風呂やキッチンなどで内装に使用されるタイルとは異なり、外壁用のタイルは丈夫ではがれにくいようにできています。
見た目の良さだけでなく、耐久性が高いのも魅力です。
目地部分が汚れやすいため、手入れの際は目地の汚れやカビに気をつけるようにしましょう。
価格は高めですが、耐久性が高いため、適切な手入れをすれば長持ちします。
●ガルバリウム
ガルバリウムは金属に特殊なメッキをした外装材です。
防水性が高く、並べても隙間ができない形状をしています。
水洗いで手入れでき、メンテナンスが簡単なのも魅力の一つです。
耐久性も高く、傷に強い塗装をすれば、きれいな状態を保ちやすくなります。
都会的なスタイリッシュな雰囲気が魅力で、ある程度ならカラーバリエーションがあります。
ただ、素材の関係上デザインの種類は多くなく、家のデザインによっては合わせにくいこともあります。
●ALC
ALCは軽量気泡コンクリートのことで、サイディングに似た性質を持つ外壁材です。
高い耐火性が特徴で、防火区域の壁にも使用されています。
気泡を含んでいるため防音性も高いです。
耐久性にも優れており、サイディング以上に丈夫な素材です。
ALCそのものの耐久性は高いものの、継ぎ目の部分は劣化しやすいため、メンテナンスの際は目地に気をつける必要があります。
手入れをきちんと行えば長い間張替えせずに使用できます。
また、内部に気泡を持つという性質上、水にも注意が必要です。
目地はもちろん、防水加工のきちんとしているものを使用しましょう。
●モルタル
外壁材の定番であるモルタルは、上の塗装次第で好きなテイストの外壁に仕上げることができます。
暖かく味わい深い風合いは、洋風建築にも和風建築にもマッチします。
珍しい色に塗れば、簡単に個性的な印象の住宅に仕上げられます。
ひび割れしやすいという欠点はありますが、集めに塗装をすればひびが生じにくくなります。
小さなひび程度であれば、自分でも日曜大工間隔で補修できるのもメリットです。
多少手間はかかるものの、こまめに自分で手入れをすれば業者に依頼しなくてもきれいな状態を保ちやすいです。
●塗壁
素材や仕上げ次第で色々な雰囲気に仕上げられるのが塗壁です。
コテやローラーで職人が仕上げるため、暖かく柔らかい印象になります。
和風建築のイメージがありますが、洋風の家でも似合う塗壁もあります。
自然素材を使用すれば、シックハウス症候群やアレルギーのリスクを抑えられるため、小さな子どものいる家庭で人気です。
汚れやすいイメージがありますが、最近では汚れに強い素材も登場しています。
タイルやサイディングとは違い、職人の手によって仕上げるため、仕上がり具合は左官職人の腕次第です。
◯外壁の色の決め方は?
機能性を考えるなら素材ですが、見た目への影響が大きいのは色です。
サンプルは小さく、見るのも室内のことがほとんどです。
広い面積に貼り付けたり、屋外で見るのとは印象が違ってみえたりすることが多いです。
また、時間が経つことで印象が変わることもあります。
雨風にさらされて汚れたり、紫外線によって色が薄くなったりするためです。
鮮やかすぎる色や、明るすぎる色は特に汚れが目立ちやすいです。
町並みとの相性も重要です。
周囲の家から浮いていて、悪目立ちする家は防犯上のリスクも上がります。
可能であれば、同じ素材を使用している住宅をいくつか見てみるとよいでしょう。
◯外壁の緑化は手入れが重要
外壁に這わせたツタも壁の一部です。
緑に覆われた外壁は美しいだけでなく、夏は日差しと暑さから、冬は厳しい感想から住宅を守ってくれます。
魅力的な壁面緑化ですが、生き物である以上、継続的な手入れがかかせません。
水やりはもちろんのこと、選定も必要です。
選定は伸び過ぎを防ぐためだけでなく、風通しや植物の成長を助けるために絶対に必要な作業です。
場合によっては、植物に害虫がつき、その駆除も必要になります。
落葉のある種類の場合、秋や冬には落ち葉掃除も行わなければなりません。
美しい壁面緑化のためには、育てやすい種類を植えることと、計画的な手入れを続けることがかかせません。
◯外壁も家の重要な一部
住んでいる人には見えにくいため、外壁にはこだわらず、適当に決めてしまう人が多いです。
内装や設備にこだわってしまうと予算も時間もギリギリになってしまいやすく、外壁はとりあえず安いもの、という決め方をされる場合もあります。
しかし、外壁は家の印象を決める大事なものです。
せっかく家の顔を選べるのですから、適当に決めてしまうのはもったいないです。
また、外壁の素材によって、機能や手入れのしやすさも異なります。
住まいを雨風から守るためには、外壁の定期的なメンテナンスがかかせません。
外壁はどんなふうに家を維持し、手入れをしていくかを左右する重要なファクターの一つです。