■地震大国日本だからこそ
近年、東日本大震災の発生などから地震に対する不安感が一気に高まりました。元々、日本は地震大国で、常に災害と隣り合わせの生活となっています。普段は忘れている地震はいつやってくるか分かりません。そのため、重要なのはいかに耐震性の高い住宅に住むか?ということです。
しかし、住宅の耐震性は建築士の専門家でない限り、調べる手段もありません。そこで、今回は簡単に耐震性の高い住宅を選ぶ方法を紹介します。
■重要なのは、1981年以前と以降?
実は、建物の設計は1981年以前と以降でガラッと変わりました。この時期に、建築基準法の大幅な改正が行われたからです。具体的には、建築物の耐震性を司る構造基準が改定されたことです。大改定の背景にあったのは、日本で起きた度重なる大地震による建物の破損です。1981年以降の建築基準法では、新耐震設計法と呼ばれている最新の研究結果を取り入れた耐震技術により建築物が設計されています。
そして、現在に至るまでこの新耐震設計法が施行され続けています。東日本大震災が起きたときでも、津波の大被害はあったものの、建物自体に破損が無かったことが、この設計の確からしさを証明しています。
さて、住宅においても1981年以降に設計された建物が良いことになります。ここで注意したいのは、竣工年と設計年との違いです。建物の設計は竣工の2-3年前に行われていることが一般的です。つまり、1981年に竣工された住宅は、1978年あたりに設計されている旧耐震建築物です。一方、中古住宅やマンションを選ぶとき不動産屋さんでは竣工年しか明記されていませんので、設計年は「竣工年-3年」と考えておきましょう。この数字が1981年以降になれば、新耐震建築物となります。
■住宅を選ぶなら鉄骨?RC?木?
住宅を選ぶとき、耐震性で選ぶのなら鉄骨又はRCがおすすめです。なぜなら、木材と鉄骨、RCを比べた場合、材料の強さ(強度と言います)が遥かに違うからです。鉄骨造とは、鋼で柱や梁を組んだ建物です。木造住宅の柱や梁が鉄でできていると考えてください。
次に、RC造とは、コンクリートという石に近い性質の材料と鋼材を組み合わせた材料です。重い材料ですが、遮音性が高く気密性も良いためマンションによく使われている材料です。この2材料は、木材よりも強固ですが住宅に使う素材としては、やや特殊であるため構造設計者と呼ばれる専門家が設計を行います。
この構造設計者という専門家が設計を行うことで一般住宅よりも、高い耐震性能を有した住宅となります。注文住宅の際は、耐震性にも着目して素材選びから始めると良いかと思います。