マイホームがほしいと思っていても、実際に購入に踏み切るのは大変です。
給料はなかなか増えないし、住宅ローンを順調に払えるか自信がない……このようなお金の理由で住宅購入を踏みとどまっている人は少なくありません。
しかし、国や自治体では、多くの人が住宅を買いやすいよう、様々な補助金の制度を設けています。こうした補助金の制度は、家が買いやすくなるだけでなく、環境に優しい省エネ住宅や地震や災害に強い丈夫な家を増やしていくことにも役立っています。
補助金の条件を満たした住宅をアピールしたり、積極的に案内を行ったりしているハウスメーカー・工務店も多く、依頼する住宅会社に尋ねれば利用できる補助制度についてはおおよそ把握することができます。
しかし、制度や条件は年度・地域によって微妙に違うため、全容を把握しきれていない担当者も多いです。
中には補助金の内容を知らないまま家を建ててしまい、数十万円損をしてしまった人もいます。確実に補助金を最大限活用するためには、自分でどんな補助金があるのかを知っておくことが大切です。
◯新築住宅購入時に活用できる5つの補助金
1.すまい給付金
2.地域型住宅グリーン化事業
3.ZEH支援事業
4.エネファーム補助金制度
5.市町村によるその他の補助金
複数の補助制度を活用すれば、数百万円以上になる場合もあり、知らないままにしてしまったり、申請しないままにしてしまったりするのは非常にもったいないです。
◯すまい給付金
すまい給付金は消費税増税にともなう住宅購入負担軽減のために設けられた制度で、消費税が8%なら最大で30万円の給付金が受け取れます。
新築住宅と中古住宅で条件が違い、今回は新築住宅に絞って解説します。
●給付条件
・床面積50㎡以上
(共同住宅の場合は壁芯面積ではなく内法寸法)
・施工中に検査を受け、次のいずれかに該当していることを確認している
住宅瑕疵担保責任保険に加入下住宅
建設住宅性能表示を利用する住宅
住宅瑕疵担保責任保険法人により保険と同等の検査を実施
住宅ローンを利用せず、現金で購入した場合は更に次の条件を満たす必要があります。
・年齢50歳以上
・消費税10%時は年収目安650万円以下
・フラット35sと同等の条件を満たしている
フラット35sの条件には、耐震性、省エネ性、バリアフリー対応、劣化対策などがあります。
●給付額
すまい給付金の額は年収と消費税に応じて以下のように定められています。
・消費税8%
年収:~425万円 給付額:30万円
年収:425万円超~475万円 給付額:20万円
年収:475万円超~510万円 給付額:10万円
・消費税10%
年収:~450万円 給付額:50万円
年収:450万円超~525万円 給付額:40万円
年収:525万円超~600万円 給付額:30万円
年収:600万円超~675万円 給付額:20万円
年収:675万円超~775万円 給付額:10万円
すまい給付金の給付額は年収と税率によって変わります。
増税前に家を建てるよりも、増税後の方がたくさん給付金を貰えるケースもあるため、増税だからと焦って契約してしまうことのないようにしましょう。
消費税増税による住宅購入費やそれ以外の出費と、すまい給付金の給付額を比べ、どちらが得になるかよく考えてから行動してください。
◯地域型住宅グリーン化事業
地域型住宅グリーン化事業は、高機能な木造住宅の供給を進めるための事業です。
補助の対象となるのは次の木造住宅です。
1.長期優良住宅
2.低炭素建物、性能向上計画認定住宅
3.ゼロ・エネルギー住宅
地域型住宅グリーン化事業はハウスメーカーや工務店が応募するタイプの事業です。対応しているかどうかは依頼する住宅会社に確認しましょう。
また、地域型住宅グリーン化事業で対象となる住宅は、他の補助金や減税の条件を満たしているケースも多いです。
◯ZEH支援事業
ZEHはゼロ・エネルギー・ハウスの略で、省エネと創エネにより、家庭内で使用されるエネルギーをプラスマイナスゼロにすることを目標とした住宅です。
条件を満たせば補助額は最大70万円、更に蓄電システムの導入により、30万円の補助金を追加で受け取ることができます。
政府は今後ZEHを全ての新築住宅で標準とすることを目標としており、普及が進めばこの補助制度はなくなるだろうと言われています。もしZEH対応の住宅を建てる予定であれば、早めに動き始めることをおすすめします。
ZEHの認定を受け、補助金を受け取るには事前に住宅会社が申請をしていることが必要です。対応についてはそれぞれのハウスメーカー・工務店に確認しましょう。
◯エネファーム補助金制度
エネファームは家庭用燃料電池です。
水素と酸素から熱と電気をつくるシステムで、家庭の省エネルギー化に一役買います。
条件や金額は、設置する燃料電池の種類や金額によって異なり、仕組みも複雑であるため、導入を検討している業者に確認してみるのが確実です。
◯市町村によるその他の補助金
ここまで紹介してきたのは国が主導する全国で利用できる補助制度ですが、自治体によっては独自の補助金を設けている場合もあります。
例えば、自治体が行っている住宅への補助制度には次のようなものがあります。
・新築住宅購入
・リフォーム工事費
・耐震改修
・エコリフォーム
・バリアフリー化
・太陽光発電システムの導入
・長期優良住宅
・低炭素建物
建築予定の地域でどんな補助金があるのかは、依頼する住宅会社に確認するか、直接自治体に問い合わせると良いでしょう。
金額や条件は様々ですが、地元の建設業者が工事をすることが条件になっていたり、国の補助金と併用できなかったりなどの条件がある場合もあります。事前によく確認しておいてください。
◯補助金を活用して、より良い家づくりを
住宅は大きな買い物ではありますが、購入を助けるための補助制度や減税など様々な仕組みがあります。
うまく活用すれば、数百万円以上の補助金を受け取ったり、節約したりすることができます。
補助金を受け取るための条件には、省エネや高耐久などより良い家づくりに関連するものが多く、補助制度を利用することは快適な生活にもつながります。
補助金を貰い忘れないようにするためには、どんな制度があり、どのような条件が求められているかを知ることが必要です。住宅会社や自治体に確認し、損をすることがないように注意しましょう。