一戸建て購入の選択肢には、建売住宅と注文住宅の2つがあります。
すでに建物が完成している建売住宅と比べると、一から自分好みに建てられる注文住宅は非常に魅力的です。
しかし、注文住宅の購入時には、建売住宅購入時にはない注意点がいくつもあります。
今回は、注文住宅の注意点について、特に土地購入や自己資金に絞って説明していきます。
土地にまつわる費用
建売住宅は土地と建物がセットになって販売されています。
しかし、注文住宅の場合、土地は自分で別に探さなければなりません。すでに土地を持っている場合や、建て替えの場合を除き、先に土地を購入することになります。
土地を購入する際には、仲介手数料や登記のための費用、印紙代などの諸経費が必要になります。
購入した土地に古家があった場合、解体費用も必要になります。
建物の解体費は、その家の大きさや構造によって大きな違いがあります。最も安い木造でも一坪当たり3万円から5万円程度かかります。
また、住宅の建設を開始する前には、地盤調査をしなければなりません。
地盤調査をするためには、まず土地が更地であることと、建設する建物の設計か進んでいることの2つが最低条件となります。
なぜ設計が進んでいる必要があるかというと、建物の重量が土地のどの部分にかかるかということが、調査とその後の改良工事に必要な情報だからです。
地盤調査の結果、強度が不足しているとわかった場合、地盤改良工事が必要になります。地盤改良工事にかかる費用は、土地の状態や工事方法によって大きく異なります。数十万円で住むこともあれば、100万円以上かかることもあります。
土地購入を予定している場合、この地盤調査の結果で総費用が大きく左右される可能性があります。
建売住宅の場合は、既に建物が完成しているため、調査結果で費用が変動することはなく、資金計画が建てやすいです。
段階的な支払い
建売住宅では、土地と建物を同時に購入するため、登記や事務手続き、頭金の支払いなどは1度で済みます。
しかし、注文住宅では段階的な支払いが発生するため、自己資金には注意が必要です。
まず、土地を購入する場合、土地価格の1割程度の手付金が必要になります。
建物の工事にも手付金が必要になります。また、着工、上棟、引き渡しの際にも費用が発生します。建築会社にもよりますが、建築金額の1割程度の金額を段階的に支払うことになります。
注文住宅の自己資金
注文住宅の場合、土地の頭金、建物の頭金、それぞれの手続のための費用など、段階的に支払わなければならない費用があります。
これに加え、引き渡し時には、住宅ローン保証料、登記費用、保険料、事務手数料などが発生します。
これらの費用については、住宅ローンを充てることができない金融機関が多く、相応の自己資金が必要になります。
建売住宅でも、住宅ローンの保証料、登記費用、保険料、事務手数料などが必要にはなりますが、土地購入がないぶん、金額も少なく負担も小さいです。
注文住宅の購入には、建売住宅以上に自己資金が必要になります。
引き渡し前になって、支払いが難しいと困ることのないように、資金計画はきちんと建てましょう。
注文住宅の場合、土地と建物をあわせた費用のうち、最低1割は自己資金として必要になります。返済の負担やリスクを考えると、2割から3割程度用意するのが望ましいでしょう。