どんな間取りの家を作るかあれこれ想像するのはとても楽しい時間です。
しかし、いざ実際に家の間取りを決めるとなると、なかなか「これだ!」という答えを見つけるのは難しいです。
家の広さや家族構成、求めているものは人それぞれで、他の人の家やモデルハウスがそのまま参考になるケースはほとんどありません。結局、図面を眺めながらあれこれ悩むことになります。
ただ残念なことに、一所懸命に悩み抜いて決めた間取りでも、実際暮らしてみてから不便さにきがつくこともあります。
快適に暮らせる家にするためには、どんなことに気をつけたらよいのでしょうか。
◯家事動線が最重要
住み心地の良い家にするためには、家事の動線を一番に考えて間取りを決めることが大切です。
家事以外にも、休息や娯楽など家で行うことは色々あります。しかし、家事は絶対にやらなければならないうえに楽しいとも限りません。この面倒な家事を快適に、しかも短時間で終わらせられるかどうかが快適な生活に大きく影響します。
家事の動線をスムーズにするための基本は、移動距離を極力短くすることです。キッチンやバスルーム、洗面所やトイレなどはできる限り近く配置しましょう。移動や掃除がぐっと楽になります。
この時水回りを一直線に並べるよりは、角に沿ってL字に並べた方が距離の節約になります。
また、水回りを集中することで配管の距離が短くなるため、建築コストの削減にもつながります。
◯家事動線を意識した間取りのポイント
ここからは、家事や子育て、日々の生活をスムーズにするための間取りのポイントを紹介してゆきます。
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キッチン・リビングから家の中が把握しやすいようにする
キッチンに立った際、リビングやダイニングなど家族のいる方向に体が向くようにコンロ・シンク・調理台などを配置するようにしましょう。独立型のキッチンよりも対面型のキッチンを選んだ方が、リビングまで目が届きやすいです。
キッチンからリビング・ダイニングが見えるということは、そこにいる家族からも見えるということです。お互いが見えた方が安心感もあり、コミュニケーションもとりやすくなります。
特に子育てをしている家庭では、互いの顔が見えるということは最も大切です。互いがどこにいるか分かることはコミュニケーションを活発にするだけでなく、ストレスの軽減にもつながります。
また、リビングに階段を配置するのも良いでしょう。
玄関から直接2階に上がれるよりも防犯面で優れていますし、いま家族が家のどこにいるか把握しやすいです。
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リビングとトイレ、バスルームとトイレのアクセス
小さな子どもがいる場合、トイレへのアクセスのしやすさは重要です。
リビングからトイレまでの距離が遠いと、子どもがトイレに行きづらいだけでなく、トイレに間に合わない可能性も高くなります。
また、お風呂の前に必ずトイレに行かせることを考えると、トイレと風呂場が遠いのは不便です。
万が一トイレに間に合わなかった時の後処理を考えても、トイレとバスルームが近い方が楽です。
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階段と洗面所は近くに
洗面所に洗濯機があり、物干しが2階にある場合は、階段の場所と道のりに注意しましょう。
洗面所と階段が遠いと、濡れて重くなった衣類と抱えて長距離を移動することになります。また、途中にあるドアの数や開閉しやすさにも気を配りましょう。荷物を抱えていると、片開きのドアは開けにくいです。引き戸にしたりカーテンにしたりすることで、荷物を持った時の移動が楽になります。
洗濯の時以外にも、買い物帰りなど荷物を持って家の中を移動する機会は多いです。その際、何度もドアを開ける必要がないように間取りを調整しましょう。
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ドアの開閉に注意
ドアを開閉した際、十分に開けることができるスペースがあるか、人にぶつかる心配はないかをチェックしましょう。通行量が多くなりそうな廊下は、すれ違いやすいかどうかも確認しておくと良いです。
特にトイレや洗面所付近はドアの数が多くなりやすいポイントです。
また、片開きのドアは子どもが手を挟むリスクが高いです。ドアノブ側に挟んでも痛いですが、蝶番の側に指を挟んだ場合は最悪切断に至る場合もあります。子どもが開け閉めすることの多いドアは引き戸にしておくと安心です。引き戸にできないドアについては、市販のカバーなどを利用しましょう。
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トイレと玄関は隣り合わないように
来客があった時にトイレに入っていたり、来客中にトイレに行きたくなったりした場合に、恥ずかしくないようにトイレの場所を考えましょう。
玄関のすぐ横にトイレを配置すると、外でインターホンを押している人の横にトイレの窓が来てしまいます。向きを変えたり間に物置を挟んだりの工夫が必要です。
ただし、トイレがリビングからやたら離れていたり、奥まっていたりすると使いにくくなるため、配置には注意が必要となります。
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収納は作り付けの方がスマート
収納は家具を買うよりも作り付けの収納を用意した方が失敗は少ないです。家具があると見た目が圧迫されるだけでなく、地震の際に転倒する危険性もあります。
必要な収納は作り付けにした方が見た目もよく安全で、容量も確保しやすいです。