注文住宅を考える時誰もが一度は気になる平屋建て。
平屋建ては年をとった時に楽だから絶対オススメという人もいれば、高くつくから絶対止めておいた方が良いという人もいます。
では実際、平屋建てにはどんな特徴があるのでしょうか。
◯平屋建ての特徴
●長所
平屋建てのメリットはやはり階段の昇り降りが必要ないということでしょう。
小さな子どもが走り回っても階段から落ちる心配がありません。年をとって足腰が不自由になっても安心して生活できます。自宅で介護することになっても、階段がない方が介護する側もされる側も便利です。
バリアフリーの優しい住宅を作るのであれば、平屋建てがベストです。
住空間が上下に分かれておらず、どの部屋にもアクセスしやすいです。家族のつながりを感じたいという場合にも平屋はおすすめです。
外から見た時はコンパクトな印象で圧迫感がなく、景観への影響も最小限に抑えることができます。
●短所
平屋建てでは、広い面積を持つ住宅を実現するのは大変です。
2階建てにして床面積を稼ぐことができないため、敷地の大きさがそのまま家の広さに影響します。広い家にするためには広い土地が必要ですが、都市部では土地の確保も用意ではありません。
間取りを考えるのも大変です。子どもの部屋も、広い収納も……と考えて設計していくとどうしても2階建てになってしまいやすいです。平屋で十分な部屋数と収納スペースを確保するには、設計者の技量がかかせません。
まわりの住宅の影響をうけやすいことにも注意が必要です。
立地によっては周囲の住宅で日光や風が遮られる可能性があります。土地に余裕がなく、敷地ギリギリまで建物がある場合は特に影響をうけやすいです。
2階建て住宅に囲まれている場合、平屋建ては見おろされる形になります。家の中が丸見えにならないようにする工夫もかかせません。
●設計者の腕に左右されやすい
快適な平屋建てを作るには、有能な設計者が必要です。
もちろん2階建てでも設計者が優秀に越したことはないのですが、2階建てはスペースに余裕があり、施工例も多いため、平屋建てほど困難ではありません。
少ない面積で十分な収納を用意するためには、ロフトやデッドスペースの活用がかかせません。また、日当たりや明るさを確保するために、天窓を作ったり中庭を作ったりなどの工夫が必要になる場合もあります。また、明るさの確保と同時に、住人のプライバシーを守るための工夫も必要になります。
こうした工夫には、平屋建てをたくさん手がけたノウハウが必須です。十分な知識がないまま建てられた平屋建ては、暗く狭いだけの不便な住宅になってしまいます。
◯平屋建ての間取り
住みよい平屋建てを建てるためには、私達にも平屋建てに関する知識が必要です。
特に、将来のことを考えて平屋を検討しているのであれば、間取りは重要です。
しかし、日本の住宅は土地の事情もあり、2階建てが主流のため、平屋の建築例はあまり多くありません。
そこで今回は、平屋建ての間取りを考える際に参考できる方法を紹介します。
●ミサワホームの間取りと実例
サンプルや実例の数が多く、様々なパターンを参考にできます。
ミサワホームの住宅は非常に質が高いため、ミサワホームを利用する予定がない人でも一度チェックしてみる価値はあります。
●海外は平屋の実例が豊富
海外の住宅は日本のものよりも土地に余裕があるケースが多く、平屋住宅の実例も多くみることができます。
海外と日本とでは気候も生活習慣も違うため、そのままの住宅を建てるのは難しいかもしれませんが、空間の区切り方やインテリアの参考にはなるはずです。
◯平屋建ての価格
●坪単価には注意
ハウスメーカーや工務店のパンフレットやホームページには、価格の参考として坪単価がよく載せられています。
しかし、この坪単価を面積とかけた金額が住宅価格になると考えてはいけません。
坪単価は標準仕様をベースに計算されています。設備や建具、内装を標準仕様から変更すれば、基本的に価格は高くなります。
また、住宅の建設にかかる費用は、工事の手間によって大きく変わります。家の構造や間取り、土地の形や立地などにも大きく影響されます。坪単価通りに建てられるのは、条件の良い土地に建った仕様通りの家だけです。
基本的に坪単価通りの価格で住宅が建つことはなく、それよりも多くの費用がかかることがほとんどです。坪単価は宣伝やお客さんの注意を引くためだけに示されているものだと考えておくようにしましょう。
●3LDKの価格
夫婦に子ども2人の家庭であれば、3LDKの間取りが無難でしょうか。もう少し部屋数がほしいかもしれませんが、平屋の場合部屋数を増やすのは面積的に厳しく、圧迫感も強まるためあまりおすすめはしません。
平屋で3LDKの場合、価格はローコストメーカーで1000万円以上というのが一つの目安になります。有名なハウスメーカーのものになると2000万円以上になることもあります。格安住宅の中には800万円程度からありますが、価格が安ければ安いほど家の自由度は低いです。
また、最近は初期投資を多めにとり、そのぶんメンテナンスコストを抑えるという方針の住宅も多いです。長く使えるのは環境にも優しく、メンテナンスの手間も軽減できて楽ではあるのですが、価格も上がります。
土地の価格についても考える必要があります。平屋建てでは、土地の広さがそのまま住宅の広さになります。土地面積が40坪ならば、住宅は30坪ほどになります。もっと広い家にしたければ、もっと広い土地を探さなくてはなりません。
◯狭い土地でも平屋は高くなりやすい
平屋は土地の面積が必要になるため、土地代のぶん高価な住宅になりやすいと言われています。
しかし。すでに土地の面積が決まっている場合でも、費用がかさみやすいことに注意しなければなりません。
土地の面積が限られている場合、平屋建ては2階建て以上に工夫が必要になります。
狭い建物面積の中に必要な部屋をうまく当てはめるにはコツが必要で、設計にも手間がかかります。
収納スペースを確保するためにロフトを作ればそれだけ費用がかかります。
広々とした空間を演出するために、天井の高さを変えたり床を掘り下げたりすればまたお金がかかります。
日照の確保やインテリアの一部として中庭を作ることも多いですが、外部との境界が増えるため工事費がかさむことにつながります。
◯快適さと予算をうまくやりくりすることが大切
階段の昇り降りを必要としない平屋建ては、子どもにもお年寄りにも優しく、誰にでも住みやすい住宅を作るのにピッタリです。
しかしその一方で、2階建てに比べると効果になりやすいという欠点もあります。
2階建てに比べるとどうしても広い土地が必要になるため、土地探しの段階で諦めてしまう人もいます。
土地が無事見つかったとしても、明るさや収納を確保したり、空間にメリハリをつけたりするとどうしても価格が高くなってしまいやすいです。
平屋建てを建てる場合、予算内で平屋の快適さをどこまで求めるかということが非常に重要になります。どの部分にどこまでお金をかけるのかを見極めるためには、情報収集が大切です。
ハウスメーカーや工務店について調べる際は、価格だけでなく、明るさの取り込み方や収納の工夫、空間の区切り方にも注目しましょう。
住みよい住宅にするために、建築実例や失敗談・成功談など広くアンテナを広げて情報を集めましょう。