注文住宅では家の間取りや内装を担当者との話し合いで決めていきます。打ち合わせは住宅の出来栄えを左右する重要な段階です。
打ち合わせではこちらの要望をしっかりと担当者に伝えることが大切です。もちろん担当者もできるだけ希望を汲み取れるように努力はしますが、超能力者ではないので伝えていないことまでは分かりません。
住宅の素人があれこれ口を出すよりは、プロに任せてしまった方が安心という人もいますが、それでは注文住宅の意味がありません。黙ったままではテンプレート通りのつまらない家しか建てられません。標準そのままの家で満足できるのなら、注文住宅ではなく建売住宅を購入するべきでしょう。
せっかく自分好みの家を建てられる注文住宅なのですから、自分の要望や好みが反映された住みよい家になるように頑張るべきです。
打ち合わせのポイント
打ち合わせが大切だと分かっていても、家づくりの初心者にはどこに気をつけたら良いのか分からないものです。
そこで、今回は打ち合わせの時に気をつけたい5つのポイントを紹介します。
担当者の話を聞く
話を聞くのは担当の方であって、お客さんが話をするものではないの、と思うかもしれませんが、まずはハウスメーカーや工務店の担当者の話を聞くところからはじめることをおすすめします。
最初に家づくりへの思いやこの会社のコンセプト、得意なタイプの住宅や、こだわりについて詳しく聞きましょう。
採用している構法・材料なその特徴と採用理由、目玉の設備や逆に導入していない設備などについて聞いてみましょう。実際の施工事例をいくつかみせて貰うのも良いでしょう。
話を聞いてみて、自分の建てたい家とその住宅会社の得意分野が合致しているようなら、そこで改めて自分の希望を伝えます。反対に、希望に合わないようなら他の会社を探してみましょう。
先にこちらの要望を伝えてしまうと、その会社の得意不得意にかかわらず、営業担当は客の要望に答えた提案をします。そうでなければ客を一人失ってしまうからです。しかし、こちらの建てたい家と、その会社の得意とする住宅がマッチしていなければ、よい住宅を建てることはできません。
希望通りの家を建てるためには、相性のよい住宅会社をみつけることが大切です。そのためには自分の要望を伝える前に、その会社の得意分野を知る必要があります。
複数の見積もり・プランを比べる
プランや見積もりは一つの会社からではなく、複数の会社から取っておくようにしましょう。
見積もりを比べることによって、希望する住宅の適正価格を考えることができます。プランを比較すれば、同じ要望に対してでもアプローチの仕方が各社で異なることに気がつくことができます。
依頼するハウスメーカー・工務店が決まった後も、他社の見積もり・プランには使いみちがあります。それらを打ち合わせの時に持参すれば、より依頼先に決めた会社の強みを知るための手がかりになります。
見積もり書やプランをみながら、価格の違いがどこから生じているのか、設備や構造が違うのはどうしてなのいかなどを聞いてみましょう。
他社の見積もりやプランを持っていることが分かれば、それだけ真剣に家づくりに取り組んでいるという姿勢も伝わるので、担当者もやる気がでやすいです。
また、採用しなかったプランにも良いところがあるかもしれません。一つの会社のプランをそのまま採用するのではなく、色々な会社の良いとこ取りが可能になります。
イメージは形にして共有
打ち合わせでは担当者との情報共有が非常に重要です。
建てたい家のイメージはできる限り正確に伝えましょう。
間取りやデザイン、雰囲気など言葉にしにくいものについては、写真や絵などを使用するのも効率的です。雑誌などで好みの住宅やインテリアをみつけたら、切り抜きやコピーなどを渡してみるのも良いです。絵はうまくなくても構いません。それでも言葉だけで伝えるよりもずっと多くのことを伝えられます。
打ち合わせは図面上の間取りを元に行うため、具体的なイメージはなかなかつかみにくいです。言葉だけでイメージを伝えきれなかったり、勘違いしやすかったりします。
思い違いに気がつくことができないまま建築をはじめてしまうと、後から修正するのは難しくなります。直すのに追加でお金がかかるかもしれません。修正自体が困難なこともあります。
思い違いがないように、当たり前だと思っている場所でもこまめに確認しておくと安心です。
また、お互い人間である以上、打ち合わせで話したことを忘れてしまったり、勘違いしてしまったりする可能性があります。後々言った言わないの問題にならないように、打ち合わせ内容はノートに残して読み返せるようにしておきましょう。
反対意見を聞く
こちらの要望の中には、そのまま採用すると不都合なものもあります。
導入したい設備や、真似したみたいインテリアがあっても、プロの目線で考えると、ちぐはぐだったり、他の要望との相性が悪かったり、使い勝手が悪かったりすることがあります。
打ち合わせでは、そうしたプロの目線でみた意見を聞くことが大切です。住宅会社にはたくさんの家を手がけた知識と経験があります。それを生かさず注文住宅づくりを進めてしまうのはもったいないです。
客の考えに間違いがあると気がついたら、すぐに指摘してくれる担当者もいますが、担当者の中には客とトラブルになったり機嫌を悪くしたりするのをおそれて、間違いを指摘しない人も多いです。
プロの意見を活かすために、何か提案したときには、それによるデメリットがあるかどうかこちらから効くようにしましょう。
打ち合わせは時間のかかるもの
決めることの多い注文住宅の打ち合わせには時間がかかります。1回や2回では終わりません。
注文住宅の打ち合わせは複数日に分けて行うのが一般的で、週末に行われることが多いです。休みが何度か潰れるのは覚悟しておきましょう。
忙しいからと言って、短縮したり、何日も連続で行ったりするのはあまりおすすめしません。
たくさんのことを決める以上、時間をかけなければおざなりになってしまう部分がでてしまいます。
ある程度の日を空けるのも大切です。打ち合わせと打ち合わせの間に、家族と相談したり、考えをまとめなおしたりできるからです。
注文住宅の打ち合わせは時間のかかるものですが、これは良い家を建てるためには絶対に必要なことです。